こころの大そうじ [255回 H29/3/30]
講師:名取 芳彦 師
講師プロフィール:真言宗豊山派 密蔵院住職 真言宗豊山派布教研究所研究員
昭和33年 江戸川区生まれ、自坊でご詠歌・写仏・読経・法話の会を主催
日常を仏教で加減乗除する江戸っ子口調は好評。著書は『気にしない練習』『般若心経 心の大そうじ』など多数。

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<講演録>
 今日はこの、アルミ缶に入ったお茶を家から持ってきました。
このアルミ缶の上に、正月のお供えについていたミカンの飾り物を乗せます。これなんて言うかご存知ですか?「アルミ缶の上にあるミカン」。親父ギャグです。
今日はこんな調子で参りますので、気軽にお聞きいただければと存じます。

自在に観じる感性を持つ

私は子供が3人います。今、一番上が32才の男の子。次が30才の男の子。一番下が28才の娘です。
その娘が中学のころでした。法事を終えて居間でくつろいでいると「お父さん、ちょっと買い物つき合ってよ」「どこ行くんだ」と聞けば、自転車で3分くらいの『ジェーソン』という安売りのお店でした。
中学生ですからお小遣いもたかが知れている。金づるの親父と行けば何か買ってくれるに違いないという娘の魂胆は百も承知。じゃあ行くかと、出かけました。
店に着いて、一番右の通路から行こうかと歩き始めました。通路の両脇には清涼飲料水がたくさん並んでいて、どん突きは缶詰コーナー。そこで娘が私の袖をつかんで、「お父さん、「『ニクダイワニ』って何?」、ニクダイワニ?私も40年生きてるけどそんなワニがいたという話は聞いたことがない。「何、それ?」って言ったら、「ほら、あそこに書いてある」って。
娘が指差すところを見ると、丸い缶詰がピラミッド状に積んである。私は「ニクダイワニ」っていう音しかわかりませんから、そんなものあるのかと。
その頃、洒落たレストランでオーストラリアから輸入したワニの唐揚げを出すとテレビでやっていたけれども、『ジェーソン』にそんなものがあるはずがありません。
なんだろうとその缶詰を見て、表面に書かれていた・・・・
(2017/3/30「いのちを見つめる集い」より)

〈講演内容の公開はここまでです。講演録『みちしるべ』は会員の皆様にお送りしています。〉

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